奥穂高岳⇔涸沢→徳沢

涸沢カール

早めに起きて奥穂への準備。霧の状態は昨日から相変わらず。サブザックだけでピストンです。途中屏風岩の頭の向こうに常念岳のとんがり三角形がはっきり見えました。

ザイテングラードまではとりあえず風も雨もなく問題なしですが、霧の中に突入するとやはり霧雨です。ハイマツの尾根をあえぎながらつめ約3時間ほどで稜線、穂高岳山荘に到着です。えらい風雨、持ってきたストックが邪魔なので預かってもらおうと山荘に入ります。たった今、西穂から縦走してきたという単独の女性(こんな天気でこのコースとはスゴイね)に風が強いから気をつけてと助言をもらってから出発。いきなりのハシゴ以外は特に問題なく進んでいきますが確かにすごい風だこと。耐風姿勢をとることもしばしば。25分ほどで頂上。やっぱり何も見えないし、だれもおらんとです・・・
山頂の祠を何とか写真に収め下山します。
槍も奥穂も結局祠にお参りしにきたようなものですな。山荘まで戻りますがさっきの女性が第一声「大丈夫だった?」と心配してます。山荘内の雰囲気がおかしい。無線機が滑落事故の状況を伝えています。場所がはっきりしないけど山荘の人はザイルやらなんやら用意して出動に備えますがしばらくして西穂山頂直下だったことが判明。遭難者(結局亡くなったそうです)はお気の毒ですがこの天気ですから、私も気を引き締めていこうと思います。落ち着いたらおなかが減りました。小屋の手作りカレーを注文。おなかが減ってたのでほんとにうまかったあ。白出沢側で実家に電話した後下山です。明日焼岳に行かないとすれば、今この地点から全部下りということになります。なんにしても気をつけて行こうと思って歩き出すと昨日のお隣さんグループが「えらい時間かかった」といいながら上がってきました。挨拶後下り始めますがザイテンの最上部の岩にライチョウのメスがいます。さっき身支度していた小屋の人が服を着たついでなのか見回りに降りてきて一緒に眺めます。ちょっと距離があったので写真はいいものが取れません、メスなので辺りにピヨがいないか目を凝らしました見つからなかった。残念。小屋の人たちはあっという間に下っていきます、おいらがエッチラオッチラ降りていくとそこそこ上ってくる人たちもいます。ザイテンの取り付きでアイゼンをつけ、快適に降りていきますが獅子岩のちょっと手前で15mほど前を一抱えもありそうな岩が音もなく落石。その向こうで雪切してた山荘の人が「今の怖かったね、いっぱつで死ぬね」と声をかけてきましたがほんと融雪期の雪渓は怖いなあと思いました。
ヒュッテについてデポしてあったザックを売店のテーブルで整理。昨日もビールを注いでくれた高橋愛似の店員さんとカリマーのザックのマニアックな会話をしたあと出発。雪渓にさよならします。連休ですな、こんな天気でも下からいっぱい上がってきます。下りは横尾まではあっという間ですが着くまでに霧雨でだいぶぬれました。毎日の雨天でカッパもザックカバーも撥水性が落ちまくり。僕もかなり湿っぽい状態で疲れてます。上高地まで行って帰るかとも思いましたが、長野までの直通バスせせらぎ号には間に合いそうもありません。また上高地まで11kmという表示にもめげてしまいました。
明日の行動を極力減らすため、何とか気を振り絞って徳沢まで歩きました。ここらまでくるとずいぶん観光地っぽい。テントもいっぱい張ってあります。時折太陽が顔を覗かせているので、とにかく装備を乾かそうと徳沢園の食堂の前のベンチに装備を広げます。干し物はそのままにしてテント受付。これだけ重いものを持ってきていてテントを張るのは今日が最初で最後か・・・。受付に「テントの方もOK、岩魚定食1500円」の表示。もうどうにでもなれとこれも頼んでしまいます。テント張ってからしばらくすると、ずぶぬれ装備がすっかり乾いたのでマットしいて昼寝でもと思ったら突然の風雨。どうにもこうにも夕飯までテント内で待機です。夕飯時には小雨になりました。快適な食堂でビール飲みながらおいしい食事を取りました。お土産の徳沢園の手ぬぐい購入。テントに戻るとどんどん雨が強くなります。草地なのに川状態。テントが水の上に浮いてるような格好。テント底は大丈夫ですが結露し始めてます。ザックをポリの大袋に入れその他を防水袋へ、オイラはシェラフカバーの中へと完全防水で就寝いたします。途中2回ほどトイレに行きましたが殆ど豪雨の様相。折り畳み傘がだいぶ痛んでしまった。歩道は完全に川になっておりました。
氷壁の宿 徳澤園