黒部五郎小舎→黒部乗越→三俣山荘(荷物デポ)→鷲羽岳→水晶岳→ワリモ北分岐→黒部源流→三俣山荘

夜は雲がないのでだいぶ冷え込みました。今日は長いため早起き。2:45起床4:00出発。NO!はずしたフライがパリパリに凍ってます!
薄暗い中三俣蓮華の西面を上ります。しばらく行くと森林限界を超え一面なだらかなハイマツの海。北面カール上の尾根筋に出てしばらく歩くと黒部乗越。ここで日の出を迎えます。今日もピーカン。
上手く写りませんが黒部五郎・薬師にモルゲンロートが映える
ここから巻き道に入りカールの底部を通ってもう一度尾根を越えると大き目の雪田が待っています。

気をつけているのにコケそうになりながら渡り終え、少し進むと7:00に三俣のテン場です。北アルプス西部の十字路のためテントを畳む人・立てる人・ザックをデポする人、行動が様々。私もザックから不用品を出しボトムシートをかぶせてデポ。いい加減照ってきたので日焼け止めでもと思い探すが何故か無い。どこに行ったのか探せどどこにも無い。この好天で日焼け止め無し行動は自殺行為。三俣山荘に売ってないかと小屋番のネーちゃんに聞きましたが「置いてないです」の返事。途方にくれましたが意を決し近くにいた優しそうな御仁に正直に状況を打ち明けたところ気前良くお貸しいただけました。多謝多謝。山奥では助け合いですな。私も逆に人の役に立たねば。でも明日はどうしよう。双六小屋にあることを祈ってひとまず今日の行動に集中。いよいよ準備万端必要品と行動食をもって見上げるような鷲羽の尾根に挑みます。
写真では分かりにくいですがかなり急登。
空身に近いですが結構ヒーヒー言いながら直投。小一時間で足元に鷲羽池が見える。8:00到着
見事な火口湖。周りの侵食地形の中で見ると不自然なくらい若い地形ですな。
火口湖が見えてすぐに直上が頂上でございます。
バックは裏銀座縦走路。真砂岳野口五郎岳付近か。
いい加減腹が減りベーグルに練乳塗りたくったやつとバナナチップに歌舞伎揚アルファ米のおこわと高カロリー食を摂取し生き返る。勢いでワリモ岳に到達しここから鞍部に一気に下り。またヒーヒー登り上げワリモ北分岐へ。ここからはなだらかな巻きを抜けるとすぐに気持ちのいい二重山稜付きの平原に抜けすぐに稜線に。ピークが険しい水晶がどんどん近づきます。小ピークを越えると目の前に小さな小屋が。晴天に強風荒む小屋の傍。人々が群がっております。先を急ぐのでひとまずスルー。ここからしばらく歩くと岩尾根にになりストックはしまいます。30名ほどの集団がノロノロしており追い越させてもらう。追いつかれる前にピークを離脱しないと身動き取れなくなる。山頂はすでに20人ほど人が取り付いており満杯。山頂標を写真に収めるのは無理。周りの景色をしばし心に納め先ほどのノロ集団が足下にいることを確認し退散することに。
赤牛岳と黒部湖、後立山方面
山頂から足下に大集団。ひぇ〜
新潟から来たというこの集団。わいわいがやがやはいいとしても、危なげな岩尾根でストック出したまま。岩を落とすのは平気、歩きながら写真を撮るし「集中して歩けんのか!」といいたいが堪える。中高年の事故が減らない原因は目の前にある。一応ガイドついてるんですがね。30人ばかしの年長者の統制も取れずにそれでもプロか!
山に来て腹を立ててもしょうがないのでもう一度美しい景色を見渡して下山開始。「bier bier bier.bier ist bier.」と呪文を唱えながら水晶小屋に着くも、小屋番に同じ呪文を唱えたが「売り切れ」と言われMP回復ならず。シュワシュワがないならしょうがない。
振り返って水晶西面。美しい。
ワリモ北分岐まで戻り黒部源流域に下る。岩苔乗越から下降するとすぐに源頭を発見。
源頭
生まれたばかりのこの水は何よりのご馳走。ホントに旨い!右岸上部に闇テン場発見。落石のなさそうなところを選べばよい裏銀への足がかりになりそう。
ここから足元の谷はかなり紅葉が進んでおりとてもちれい。

沢音と競争しながら一気に沢の最低部に向う。周りから水が沢山流れてくるホントにすがすがしい場所。大概の植物は花が終わり枯れかけなのが残念。夏の頭に来たらどんなに綺麗なことか。(もしくは山菜だらけとも言う)。

三俣山荘方向からの沢にぶつかるとチョイと広い空き地になっていてテントが一張り。むむ、ここもよいね。この場所に黒部の源流地標がひっそり立っています。

ここから沢を小一時間上ると三俣のテン場のハイマツの合間にポコンと出ます。この沢はテン場の水場のまさしく下流にあたるわけですな。目当てのビアを求め小屋に行くと「売店にはないので、食堂にある分だけ」という宣告。水晶の状況といい、どうも今回の連休、三俣グループは荷揚げの目測をもしかしたら誤ったのかも。というか人が多すぎ!小屋は定員70名をうたっておりますが昨日はなんと300名。布団一枚に3人どころじゃないわ。やっぱりハイシーズンはテントだねと思わせるお話。
何とか仕入れを済ませ水場で一服。荷物整理しとっとと双六へ移動するつもりでしたがなんだか風が出てきて三俣の頂上あたりからモクモクと雲がわいて出ます。天候が変わり始めました。ここいらは来たアルプスでも一番天候が変わりやすいし風が強い場所。しばらく考え移動はせずにこのままテントを張ることに決定。(決してビアを飲んでだるくなったわけじゃありません。信じて)
15:00あたりまでは鷲羽も槍の穂先も見えてましたがだんだんと霧の海に沈みさようなら。明日はおそらく天候は悪くなるでしょう。